コラム
電気代制度

再エネ賦課金は14年で約19倍。値上がり時代の備え方

毎月の電気料金の明細に、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」という項目があるのをご存じでしょうか。使った電気の量に比例して加算される、全世帯共通の負担金です。

この単価が、制度が始まった2012年度の0.22円/kWhから、2026年度には4.18円/kWhになりました。制度開始から14年で約19倍です。

この記事では、電気料金がどんな要素でできているのか、賦課金がなぜ上がってきたのか、そしてご家庭の負担額をどう試算すればよいのかを整理します。

電気料金は4つの要素でできている

請求額をひとかたまりで見ていると、何が増えたのか分かりません。分解すると、おおむね次の4つです。

基本料金契約アンペア数などで決まる固定部分。使わなくてもかかります
電力量料金使った量(kWh)× 単価。使用量に比例します
燃料費調整額原油・LNG・石炭の輸入価格に応じて毎月変動します
再エネ賦課金再エネ普及の費用。年度ごとに国が単価を決めます

このうち下の3つは、いずれも使った量に比例して増えます。つまり、買う電気の量を減らせば、3つとも同時に減るということです。

再エネ賦課金とは何か

太陽光や風力でつくられた電気は、固定価格買取制度(FIT)によって、決められた単価で電力会社が買い取ります。その買取に必要な費用を、電気を使うすべての人で分担する——これが再エネ賦課金です。

導入した人が得をして、していない人が負担する、という構図に見えるかもしれません。ただ制度の趣旨は、再エネを社会全体に広げるための移行コストを、社会全体で持つというものです。

単価の推移

2012年度0.22円 2026年度4.18円 約19倍
2012年度 0.22円/kWh0.222012 2016年度 2.25円/kWh2.252016 2020年度 2.98円/kWh2.982020 2026年度 4.18円/kWh4.182026

再エネ賦課金 単価の推移(円/kWh)。主な年度を抜粋。2023年度は一時的に1.40円まで下がりました。出典: 経済産業省の年度告示

再エネの導入量が増えれば買取総額も増えるため、単価は基本的に上昇してきました。今後については買取期間を終える設備が増えるぶん下押し要因もありますが、いずれにせよ自分ではコントロールできない項目であることに変わりはありません。

わが家の負担額を試算する

計算はとても簡単です。検針票の使用量を見るだけで出せます。

年間の賦課金負担額
年間負担額 = 年間使用量(kWh)× 賦課金の単価(円/kWh)
月400kWh、年間4,800kWhを使うご家庭で、単価が4.18円/kWhの場合。
4,800kWh × 4.18円 = およそ 20,000円/年
電気そのものの代金とは別に、年間2万円前後を負担している計算になります。

制度開始当初の0.22円で計算すると、同じ使用量でも年間およそ1,000円でした。19倍という数字は、そのまま家計への影響として現れています。

もうひとつの変動要因、燃料費調整額

賦課金と並んで家計に効いてくるのが、燃料費調整額です。

発電に使う原油・LNG・石炭の輸入価格は、為替と国際市況で毎月変わります。その変動を電気料金に反映させる仕組みが燃料費調整制度で、価格が上がれば加算、下がれば減算されます。

賦課金が「年に一度、国が決める」のに対し、燃料費調整額は「毎月変わる」点が違います。どちらも共通しているのは、使った量に比例すること、そして個人の努力では単価を動かせないことです。

プランの見直しでどこまで下がるか

「電力会社を乗り換えれば安くなるのでは」と考える方も多いと思います。効果はありますが、限界もあります。

  • 安くなるのは電力量料金と基本料金の部分だけです。賦課金は全社共通で、乗り換えても変わりません。
  • 燃料費調整額の上限が撤廃されているプランがあります。市況が荒れたときに想定外の請求になることがあるため、契約前に確認が必要です。
  • 時間帯別プランは生活時間と噛み合ってはじめて効きます。夜間が安いプランでも、夜にあまり使わない家庭では恩恵が小さくなります。

プランの見直しは「今の使い方のまま単価を下げる」手段です。一方、太陽光は「買う量そのものを減らす」手段です。効き方が違うので、両方やっても構いません。

自家消費で、どこが減るのか

太陽光で自家消費した1kWhは、次の3つを同時に減らします。

1kWh 自家消費すると
電力量料金 + 燃料費調整額 + 再エネ賦課金 が、それぞれ1kWh分ずつ減る
単価の合計は契約プランと時期によりますが、いずれも「買った量」に対してかかる項目です。買わなければ、3つとも発生しません。
つまり自家消費の価値は、電気そのものの単価より少し大きくなります。

逆に、売電の単価にはこれらの上乗せがありません。だから「売るより使うほうが得」という関係が生まれます。

再エネ賦課金は、今後も上がり続けますか?
買取総額が増えれば上がり、買取期間を終える設備が増えれば下押しに働きます。単純に上がり続けるとは限りませんが、単価が毎年見直される項目であることに変わりはありません。最新の見通しは、経済産業省の資料でご確認ください。
太陽光を設置したら、賦課金は免除されますか?
いいえ。賦課金は電力会社から買った電気の量にかかるため、買う量が減ればそのぶん負担も減る、という関係です。設置していても、買った分には通常どおりかかります。
オール電化にすると賦課金は増えますか?
ガスから電気に移すぶん、使用量(kWh)は増えます。ただしガス代がなくなるため、光熱費全体で見る必要があります。太陽光と組み合わせれば、増えた電気の一部を自宅でまかなえます。

値上がりに強い家計にするには

賦課金も燃料費調整額も、「買った量」にかかります。したがって、対策は次の2つに尽きます。

  • 使う量そのものを減らす。断熱の改善、高効率機器への入れ替え、使い方の見直し。
  • 買う量を減らす。自宅でつくった電気を自宅で使う——これが太陽光発電の役割です。

Growithが太陽光をおすすめする理由は「儲かる投資だから」ではありません。買う電気を減らすことが、自分ではどうにもできない値上がりに対する、有効な備えのひとつになるからです。

いま払っている額から試算します

検針票の使用量をもとに、太陽光を入れた場合に買う電気がどれだけ減るかを、条件と計算根拠つきでお出しします。

まとめ

電気料金の値上がりは、単価の交渉ではどうにもなりません。使う量と買う量を減らすことだけが、家計側から打てる手です。

まずは検針票を開いて、賦課金の欄をご覧になってみてください。そこに書かれている金額が、これから何年ぶんも積み上がっていく数字です。

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