太陽光発電の仕組みとは?家庭に導入するメリット・デメリットをわかりやすく解説
「太陽光発電はメンテナンスフリー」と聞いたことがあるかもしれません。半分は正しく、半分は誤解です。
パネル自体に日常的な手入れはほとんど必要ありません。ただし、システム全体としては点検が必要ですし、パワーコンディショナには交換の時期があります。
この記事では、設置後に本当に必要なこと、費用がかかるタイミング、そして発電量の低下に気づく方法をご紹介します。
パネルに手入れは必要か
結論から言えば、基本的に不要です。太陽光パネルには可動部分がなく、表面のガラスは雨で洗い流されます。屋根に上って洗う必要はありませんし、無理に上ればかえって危険です。
ただし、次のような場合は個別の対応が必要になることがあります。
- 鳥のフンや落ち葉が特定の場所に堆積し、影の原因になっている
- 周辺に土埃や塩害の要因があり、汚れが雨で落ちにくい
- 台風や飛来物で物理的な破損が疑われる
いずれも「気づいたら相談する」という対応で十分です。予防的に洗浄を繰り返す必要はありません。
パワーコンディショナの交換
システムのなかで、もっとも先に寿命を迎えるのがパワーコンディショナです。
パネルの寿命が20年以上あるのに対し、パワコンの交換目安はおおむね10〜15年。内部に電子部品や冷却ファンを持つため、パネルより早く更新の時期がきます。
ここが、導入時の収支計算で見落とされやすい部分です。20年使う前提なら、途中で1回の交換費用を織り込んでおくべきです。見積りの段階で、交換の目安時期と概算費用を確認しておいてください。
点検は義務です
ここは誤解の多い部分なので、はっきり書きます。
FIT制度の認定を受けた設備には、保守点検および維持管理を行う義務があります。これは10kW未満の住宅用も対象です。「点検は不要」という説明は、制度上は正確ではありません。
とはいえ、毎年何かをしなければならないというものではありません。業界のガイドラインでは、住宅用について数年に一度の定期点検が目安として示されています。内容は、配線や接続部の確認、パワコンの動作確認、架台の緩みの点検などです。
手間がかからないことと、点検が要らないことは別の話です。Growithでは定期訪問の仕組みは設けていませんが、気になることがあればご連絡ください。初回の駆けつけ点検は、原因を問わず無償で伺います。施工が原因の不具合であれば、その後の対応も当社の負担で行います。
発電量の低下に気づく方法
太陽光発電の厄介なところは、壊れても気づきにくい点です。一部のパネルが発電しなくなっても、家の電気は普通に使えてしまいます。
だからこそ、発電量を見る習慣が効きます。難しいことではありません。
- 月ごとの発電量を記録するモニターやアプリの数字を月1回控えるだけ。前年の同じ月と比べれば、異常はすぐ分かります。
- 晴れた日のピーク出力を見るよく晴れた昼に、設備容量に近い出力が出ているか。大きく下回るなら要確認です。
- パワコンのエラー表示を確認するエラーコードが出ていないか。表示の意味は取扱説明書に記載されています。
- ブレーカーが落ちていないか意外に多い原因です。まずここを確認してください。
前年同月比でおおよそ1割以上落ちているようなら、一度ご相談ください。原因は影の増加(樹木の成長)だったり、接続不良だったり、パワコンの不調だったりと様々です。
保証は4種類あります
「10年保証」「15年保証」という言葉だけでは、何が守られるのか分かりません。保証はおおむね次の4つに分かれます。
| 機器保証 | パネル・パワコン・架台などの故障に対する保証。メーカーが提供します |
|---|---|
| 出力保証 | 「◯年後に公称出力の◯%以上」という性能の保証。劣化に対するものです |
| 施工保証 | 設置工事に起因する不具合(雨漏りなど)に対する保証。施工会社が提供します |
| 自然災害補償 | 台風・落雷・雪害などによる損害。メーカーのオプション、または火災保険で対応します |
このうち、施工会社が倒れると使えなくなるのが施工保証です。長期で付き合う相手として、どの会社と契約するかが実質的な意味を持つのはこの部分です。
台風・積雪・落雷への備え
設備そのものは屋外で20年以上使うものです。自然災害への備えを、契約時に確認しておきましょう。
- 台風:飛来物によるパネルの破損、架台の緩み。設置基準に沿った施工がされていれば、パネルが飛ぶことは通常ありません。
- 積雪:想定を超える積雪は架台に負荷をかけます。地域の垂直積雪量を前提とした設計かを確認してください。
- 落雷:直撃だけでなく、周辺への落雷による誘導雷でパワコンが壊れることがあります。避雷器の有無を確認してください。
- 火災保険:屋根と一体になった設備は建物の付属物として扱われる場合があります。加入中の保険でどこまでカバーされるか、保険会社に確認しておくと安心です。
20年でかかる費用を並べてみる
導入判断のときは、初期費用だけでなく、20年間で発生しうる支出をまとめて見ておくのが実務的です。
| 初期費用 | 機器・工事・申請。設置時に一度 |
|---|---|
| 定期点検 | 数年に一度。内容と費用は契約により異なります |
| パワコン交換 | 10〜15年で1回を見込みます |
| 撤去・処分 | 建て替えや設備更新の際に発生します |
これらを織り込んだうえで、電気代の削減額と売電収入が上回るかどうか。この見方をすると、見積書の比較の仕方も変わってきます。
発電量が落ちてきた気がします。何を確認すればいいですか?
パネルの掃除は頼んだほうがいいですか?
引っ越すときはどうなりますか?
まとめ
太陽光発電は、日々の手間がほとんどかからない設備です。ただし「何もしなくていい」わけではありません。点検の義務があり、パワコンには交換の時期があり、発電量は見ておいたほうがよい。
この3つを最初に知っておけば、20年先まで想定どおりに使い続けられます。導入前の収支計算にも、ぜひ織り込んでおいてください。