太陽光発電の仕組みとは?家庭に導入するメリット・デメリットをわかりやすく解説
「うちの屋根には載せられません」と言われて、そこで検討をやめてしまう方は少なくありません。ですが、発電できる場所は屋根だけではありません。
駐車スペースの上を使うソーラーカーポートは、屋根の条件が合わない場合の有力な選択肢です。この記事では、どんなときに向いているのか、注意しておきたい点は何かをご紹介します。
屋根に載せられない、よくある理由
屋根に十分な発電量が見込めないケースは、おおむね次のパターンです。
- 方角。北向きの面しか空いていない、あるいは東西に振れすぎている。
- 面積。屋根が小さい、天窓や設備で使える面が細切れになっている。
- 形状。複雑な寄棟や急勾配で、パネルを並べられる連続した面が取れない。
- 影。隣家や樹木の影が一日の大半を占める。
- 屋根の状態。載せる前に修繕が必要で、今は工事の時期ではない。
このうち、方角・面積・形状の3つは、敷地の別の場所を使うことで解決できる場合があります。
カーポート型のメリット
南面をしっかり取れる
カーポートは自分で角度と向きを決められます。屋根の制約に縛られず、発電に有利な条件をつくれるのが最大の利点です。
屋根に穴を開けない
建物の防水に手を加えないため、雨漏りの心配がありません。屋根の状態に不安がある場合や、将来の葺き替えを控えている場合にも選びやすい方法です。
車を守りながら発電する
雨・雪・紫外線・鳥のフンから愛車を守るという、カーポート本来の役割はそのままです。発電はその副産物、という捉え方もできます。
土地を増やさずに発電量を増やせる
すでに屋根に載せている方が、容量を足す目的で追加するケースもあります。駐車スペースは多くのご家庭で「何も生み出していない場所」なので、ここを使えるのは効率のよい選択です。
検討時に確認しておきたいこと
いい話ばかりではありません。次の点は事前に確認してください。
- 多くの場合、建築確認申請が必要ですカーポートは建築物として扱われ、1台用の規模でも申請が必要になることがほとんどです。自治体の窓口や施工業者に確認してください。
- 積雪への対応雪の多い地域では、耐雪性能を満たした構造を選ぶ必要があります。強度の等級を必ず確認してください。
- 基礎工事が必要です地面に支柱を立てるため、屋根に載せる場合とは工事の内容も費用の内訳も変わります。
- 駐車のしやすさ支柱の位置によっては、乗り降りや切り返しがしにくくなることがあります。図面段階で動線を確認しましょう。
- 敷地の境界と越境屋根が隣地にかからないか、雨だれの落ち先はどこか。近隣とのトラブルを避けるための確認です。
電気自動車との相性
ソーラーカーポートがもっとも力を発揮するのは、電気自動車と組み合わせたときです。
車を停める場所でつくった電気を、そのまま車に充電する。さらにV2H機器を介せば、車に貯めた電気を家へ戻すこともできます。電気自動車の電池容量は家庭用蓄電池の数倍あるため、非常時に使える電力量は大きく変わります。
「昼に発電して、昼に充電する」という使い方ができれば、自家消費率も自然に上がります。日中に車が家にある生活スタイルなら、相性は特に良好です。
屋根置きと比べて、発電量はどうか
カーポート型の利点は、向きと角度を自分で決められることです。屋根の場合は建物の形に従うしかありませんが、カーポートなら設計段階で発電に有利な条件を選べます。
同じ容量なら、北向きの屋根に載せるより、南向きに設計したカーポートのほうが年間発電量は多くなります。屋根の条件が悪いご家庭ほど、この差は大きくなります。
一方で、面積には限りがあります。1台用ならおおむね2〜3kW、2台用で4〜5kW程度が目安です。大容量が必要な場合は、屋根と併用する構成も検討します。
費用の考え方
屋根置きとの違いは、カーポートという構造物そのものの費用がかかる点です。
| 発電設備 | パネル・パワコン・配線。屋根置きと基本的に同じ考え方です |
|---|---|
| カーポート本体 | 柱・梁・屋根材。耐雪・耐風の等級で価格が変わります |
| 基礎工事 | 支柱を立てるための掘削とコンクリート。地盤の状態で変動します |
| 申請費用 | 建築確認申請が必要な場合の手続き費用 |
そのぶん、屋根置きより初期費用は高くなる傾向があります。ただし「カーポートを新設する予定がもともとあった」ご家庭なら、差額は発電設備の分だけです。この場合、判断はぐっと変わります。
見た目と素材の選び方
カーポートは敷地の正面に立つことが多く、外観への影響が小さくありません。
- 片流れか、両側支持か。片流れは駐車しやすく、両側支持は強度に優れます。
- 柱の位置。乗り降りの動線、自転車の出し入れ、玄関へのアクセスを図面で確認してください。
- 色と質感。建物の外壁やサッシと系統を合わせると、後付け感が出にくくなります。
- 採光。パネルで覆うぶん下は暗くなります。照明の計画をあわせて考えておくと快適です。
既存のカーポートにパネルを載せられますか?
雪の多い地域でも設置できますか?
屋根とカーポート、両方に設置できますか?
まとめ
屋根に載せられないことは、太陽光発電を諦める理由にはなりません。敷地全体を見渡せば、まだ使える面が残っていることがあります。
一方で、カーポートには構造・申請・積雪といった屋根とは別の検討事項があります。メリットだけで決めず、条件を確認したうえで判断してください。